特権




期末考査採点中。
そろそろ100人程の生徒の答案を採点し終えただろう。
だが、机の上にはまだ倍ほどの解答用紙が積まれていた。


「あーぁ。いくら採点しても全然減らないな。」
「でも、テストの採点って楽しいじゃないですかv」
「俺はあんま好きじゃねーや。繰り返しばっかだし・・・。」

俺はそんな愚痴を言いながらハジメと一緒に職員室で残業をしていた。




「・・・採点の何が楽しいんだ?」
「・・・・へ?」
「楽しいんだろ?」
「え、あ、はい。
 ・・・・・・・珍しいですね。先輩が俺に何か訊くなんて。」
「そうか?」
「はい。・・・なんだか、嬉しいです。」

ただ質問をしただけなのに、ハジメはすごく嬉しそうにそう答える。




「・・・・?」




「あっ、採点が楽しい理由でしたよね?
 えーっと・・・そうですねー・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・『生徒の頑張りが分かるところ』、でしょうか。」
「・・・・『生徒の頑張りが分かる』?」
「はいv
 だってほら、よく見てみてくださいよ。」

そう言いながらハジメは俺に2枚の答案用紙を見せた。

「こっちがリゼットの答案で、こっちがリュータの答案。」
「?
 この2枚が何なんだ?」
「分かりませんか?
 リゼットのは・・・正確に答えが書かれていて、字も綺麗。
 勉強が上手だってのがすごく出てますよね。
 一方リュータのは・・・
 答えは消しゴムで直してるところが多いし、字も焦って書いてる感じがするでしょう?」
「そうだな。」
「それって、個人個人の頑張り方がでてるみたいに思えませんか?
 勉強が出来る奴もできない奴も、自分なりに精一杯頑張って、その結果がこのテスト。
 できる奴は、今の調子で勉強を頑張ってくれるだろうし、
 できない奴は、これから俺たち教師ができるように指導をする事ができる。
 テストって指導の方法にも・・・いや、学校生活の内容にも、つながると思うんですよね。」
「・・・ふーん・・・・?」
「だから俺、テストの採点って好きなんですよv
 それに、テストの採点って教師の特権なんですよね。
 だから俺、テストの採点してる時
 同時に教師になって良かったなーって思うんです。」





「・・・・・・確かに、そうかもな。」
「あv先輩にも分りましたか?この気持ち?」
「ま、それなりには・・・な。
 でもやっぱ採点は面倒だな〜;」
「え〜、それって伝わってないって事じゃないですか〜。」
「あははっ、んな事ねーよ。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」





面白い奴。



真剣に話してたかと思うと、急に嬉しそうになったり、おちこんだり。







「・・・・・・・・先輩?」
「え、あ、何だ?」
「いや、なんだかぼーっとしてるみたいだったので。
 ・・・・・先輩は教師になって良かったって思う事、何かありますか?」





「・・・・・・・そうだなー・・・・・・・・・・。」
俺は考えながらハジメの方に目をやった。





「・・・・・・・・・・?」





「・・・・・・・・ねーな。」
「えぇっ!?そんな事ないでしょうっ?絶対何かありますよ!」



・・・・こいつ、なんでこんなに必死になってんだ?



「・・・あ・・・ははっ・・・・、冗談だよ、冗談。お前本当反応面白いからさー。」
「なっ、か、からかわないで下さいっ。
 俺だってちゃんとした1人前の教師なんですからっ。」







「・・・・・・・・」







「・・・・・・・・・・・・先輩?」
























「・・・・・・・おまえだよ。」























「・・・え?今なんて・・」
「もう言わねー。」
「えっ、ちょ、ちょっと先輩っ?教えて下さいよっ。
 よく聞こえなかったんですってばっ。せ〜ん〜ぱ〜い〜っ。」
「ほらほら、さっさと仕事終わらせるぞー。
 明日までには終わらせなきゃなんねーんだからな。」
「あっ、話そらしたっ。なんで教えてくれないんですか〜っ。先輩ってば〜っ。」











2度も、言えるわけないだろ。




















俺が教師になって良かったって思った事が、
おまえともう一度出会えた事だなんて・・・・・な。







END
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Dハジー。
Dハジはハヤリュとは違う良さがまた良いですよねぇvvvv
ウチのDハジは、ハジメが鈍感で、D先生が不器用なので、
両思いなのに気づくのはいつになるのやらって感じです(笑)。