「俺、4月からイギリスに留学する事になりました。」
俺にとっては凄く重い事で、
「ああ、前に話してたやつ?」
先輩と2年も離れ離れになるって事で、
「はい、2年間行ってきます。」
だから、先輩にとっても重い事であって欲しくて
「・・・・そっか。いってら。」
そんな笑顔での軽い返事、来るわけないと思ってた。
距離感
いつもの通学路。
俺はリュータ先輩と他愛無い会話をしていた。
「先輩って進路どうするんですか?」
「う;なんだよ;藪から棒に;」
「いや、だって先輩来年3年生じゃないですか。だからそろそろ決めてるのかなって。」
「んー・・・進路かー。3年って言われても実感わかねーしなぁ。」
「1年なんてあっと言う間ですよ、今のうちから決めておいた方がいいと思います。」
「んな軽く言うけどよー、お前だって将来何になりたいかとか言われても実感わかないだろ?」
「・・・・俺は・・・・」
俺にはずっと前から決めていた進路があった。
中学を卒業したら、イギリスに留学して医学を学ぶ事だ。
何も今急に思い出した事じゃない。
けど、好きな人を相手に「海外へ留学します」だなんて、簡単には言えない。
「ハヤト?」
「・・・・・・・・・」
けど、ためらったところで、いつかは必ず言わなきゃいけない事だとも分かっていた。
「俺、中学でたらイギリスへ留学しようと思ってます。」
「へ?」
好きな人のそばを離れる事。
それは凄く悲しくて寂しくて、俺に耐えられるかは分からない。
「留学・・・・って・・・・マジかよ・・・?何年?」
不安そうで悲しげな声が、耳に響く。
その声は、先輩が俺を求めてくれてるみたいで、不謹慎だけど少し嬉しい。
「・・・2年・・・です。
あ、でも、まだ完全にそうするって決めたって訳じゃないんで。」
嫌な作り笑い。
「・・・そっか・・・・ま、頑張れよ。な。」
「・・・先輩は、俺と離れ離れになるの、寂しいですか?」
「・・・・・・・分かんねー。
寂しいって言えば寂しいけど、それでお前の進路どうこう動かしたくねーし。」
「・・・そうですか。
・・ッ・・・・あははっ・・・な、なんか、急に重い話題にしちゃってスミマセンでした。」
「いやいや、俺より全然進路決めてて偉いと思うぞ。流石だなー。」
「もー、先輩の方が年上なんですから先輩がしっかりしてなきゃなんですよー?」
「わーってるってー。」
そう、ただの他愛無い会話。
でも、大切な話だった。
「先輩、前に話した時は深刻そうに返事してくれてたじゃないですか!
なのに、なんで・・・そんな・・・笑顔であっさり・・・・」
「・・・なに泣きそうな顔してんだよ。」
「だって!」
「2年たったら帰ってくんだろ。」
「そうですけど・・・!
・・・先輩、俺が居なくても平気なんですか?」
「・・・・前にも言ったろ。俺がどうこう言う事でお前の進路動かしたくないって。」
「でも!」
「2年。」
「・・・・・・?」
「たった2年だろ。・・・・いや、長い・・・かな。
でも、お前は絶対に帰ってくる。」
「・・・・はい・・・・。」
「だったら平気だ。」
いつもの笑顔が、どうしてか、凄く頼もしく見えた。
「でも・・・・・・。」
「あー;もう泣くなってー;
俺はちゃんと2年待ってる。
だから、お前は2年たったら絶対に帰ってくる。約束だ。」
「・・・はい・・・でも、2年も離れてたらその間に先輩俺に冷めちゃうんじゃ」
「ばーか。んな事心配してたのか。
・・・・・・ふぅ。」
「・・・・・?」
「俺は、ハヤトの事が好きだ。」
「!」
「だから、2年でも3年でも、お前の為だったら待つ。
ただし、落ち込んだ顔で帰ってきたら承知しねーからな?
お前の為に2年待つんだから。」
「・・・・クスッ・・・そう・・ですね・・・・。
・・・先輩は、俺の事が好きだから・・・
・・大好きだから、笑顔で送り出してくれるんですよね?」
「『大好き』っておま・・・・図にのんな///」
「あははv先輩照れてるー?v」
「っるせぇ;」
「・・・あのね、先輩。」
「・・ん?」
大好き。
END
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なんていうか、時期的にね!
前にDJ×OJで似たようなのも書いたんですけど、こっちの方が書きやすかった。
やっぱハヤリュは感覚が近いしね。
余談ですが「何年?」のトコでタイプミスで
「何円?」って打って、嫌なとこリアルだと思いました←
〔09/07/06〕